「仙石原」ってどんなところ
美術館めぐり
箱根外輪山に囲まれた標高650mの仙石原エリアは個性あふれる美術館が点在し、芸術にふれながら併設されたカフェやレストランでゆったり過ごせる高原リゾート。台ヶ岳の斜面に一面に群生したすすきが高原の風に波打つ「すすき草原」や神奈川県内唯一の湿原「仙石原湿原」の散策なども楽しめます。
1.すすき草原
標高1,050mの台ヶ岳(だいがたけ)の北側山裾に広がる、遊歩道が通る草原はススキの名所として知られる景勝地。周辺では毎年3月中旬~下旬に自然体系を守るために山焼きが行われています。
黄金色のじゅうたんを敷きつめたようなすすき草原は、一年を通してさまざまな表情を見せてくれます。特に、秋の日差しに輝く白いススキの穂が高原の風に波打つ景色は幻想的で、「かながわの景勝50選」にも選ばれています。
すすき草原
- アクセス:小田原駅から湖尻桃源台行バス仙石原下車
2.はこね湿生花園
すすき草原からゆっくり歩いて20分ほどのところにある「箱根湿生花園」には、日本の各地に点在している湿地帯の植物200種のほか、低地から高山までに生息する植物 1,100種が集められています。
低地から高山へ、初期の湿原から発達した湿原へと順に植物を見てまわるように園路が組まれています。
珍しい外国の山草もあり、約1,700種の植物が四季折々に花を咲かせる園内。取材時の4月上旬は、広い園内のあちこちに水芭蕉が白い花を咲かせていました。
はこね湿生花園
- 開園期間:例年3月半ば~11月30日まで(詳細は公式HPを確認)
- 住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原817番地
- URL:https://hakone-shisseikaen.com/
3.箱根ラリック美術館
箱根湿生花園から徒歩10分、フランスの宝飾・ガラス工芸の巨匠ルネ・ラリックの作品を展示する「箱根ラリック美術館」。
宝飾職人としてキャリアをスタートし、人気のジュエリー作家となった後に、ガラス工芸家へと転身したルネ・ラリック。彼の軌跡を知ることができるこの美術館には、約1,500点という国内最大のラリック作品が所蔵されており、常時約230点の作品が展示されています。
アール・ヌーヴォー、アール・デコ両時代に上流階級の婦人たちを彩ったブローチや髪飾り、そして、より多くの人々に届けられた香水瓶などの美麗な作品や、きれいに手入れされたお庭を眺めながら、優雅な時間を過ごせる美術館です。
エントランスから美術館までは小道が敷かれており、その脇にはポンポンを枝にのせたような個性的なヤドリギの姿を見ることができます。(※ヤドリギは木々の葉が落ちる冬の季節にご覧いただけます。)
欧米ではクリスマスを象徴する木として知られ、ロマンチックな伝説を持つヤドリギは、ラリックが好んだモチーフだったとのこと。
ラリック作品に魅了され、数々の宝飾品の制作をラリックに依頼したフランスの女優、サラ・ベルナールに捧げられたこの部屋からは、クロード・モネの睡蓮の池をモデルにした庭園が眺められ、四季の自然の美しさを満喫できます。
また、美術館内のカフェ・レストラン「LYS」には、ラリックが内装を手がけたオリエント急行の豪華なサロンカーが展示されており、車内で優雅なティータイムも楽しめます。
箱根ラリック美術館
- 住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186番1
- URL:http://www.lalique-museum.com/
4.長安寺
箱根ラリック美術館から県道75号線沿いに7分ほど歩き、仙石原の交差点を過ぎれば「長安寺」が見えてきます。姥子で建立され、万治元年(1658)年に現在の地に創建された曹洞宗の寺院です。
本堂横から墓地に通じる参道沿いにはシャクナゲ、イワタバコ、ヒメシャガなどの山野草が植え込まれ、五百羅漢と呼ばれるお釈迦さまの弟子たちの像が並んでいます。
それぞれ表情豊かに、緑の中で微笑む五百羅漢さま。
四季折々の風景が美しく広々とした境内は、紅葉の名所としても知られています。
長安寺
- 住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原82
5.箱根ガラスの森美術館
星の王子さまミュージアムから徒歩約15分、ヴェネチアン・グラス専門の美術館「箱根ガラスの森美術館」。美術館の外、駐車場からエントランスまでもクリスタルガラスの実をつけた木々が並び、幻想的な空間を作りだしています。
ヴェネチアン・グラス美術館エントランスへ続く橋にかけられた、高さ約9m、全長約10m、約16万粒を使ったクリスタルガラスのアーチ。ほかにも現代ガラス作品、季節の花々などが大涌谷を望む約7万平方メートルの敷地内を彩っています。
橋を渡り美術館建物内に入れば、そこはアドリア海の女王と呼ばれた中世のヴェネチアの世界。1500年頃のヴェネチアン・グラスの黄金時代に制作された名品をはじめとする歴史あるゴブレットやコンポートなどが、重厚な雰囲気の中、展示されています。
深い海の中のような雰囲気を漂わせる、現代ガラス作家の巨匠デイル・チフーリの作品が飾られたコーナー。
ミュージアムショップにはさまざまに美しいガラス製品やアクセサリーなど、5千種類10万点もの品々が用意されています。
6.カフェ・レストラン「ラ・カンツォーネ」
大涌谷まで望める緑の庭園を見渡すオープンテラスのカフェ・レストラン「ラ・カンツォーネ」では、箱根の美しい自然に囲まれて鳥のさえずりを聞きながら、ゆったりとしたティータイムが楽しめます。
カフェのおすすめはフルーツティー。季節ごとにアレンジされるパフェと合わせて景色を楽しみながら優雅なティータイムを。
ランチタイムには、旬の食材を使ったイタリア料理が楽しめます。
園内にはベネチアン・ローズと、クリスタル・ローズで作られた永遠の美しさを誇るガラスのバラが咲き乱れる中庭も。季節を問わず咲き誇るバラの花を楽しむことができます。
箱根ガラスの森美術館
- 住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原940-48
- URL:https://www.hakone-garasunomori.jp/
7.ポーラ美術館
ガラスの森美術館から南側の山道を歩くこと約30分で、富士箱根伊豆国立公園内に建つ「ポーラ美術館」に到着します。
ブナやヒメシャラが群生する森の中に佇む美術館は、ガラスが多用され明るい光に包まれた開放感あふれる空間。敷地内には約1kmの遊歩道「風の遊ぶ散歩道」が設置されており、時々現れるリスなどの小動物を見ながらの散策も楽しめます。
館内にはモネやルノワールの西洋絵画からガラス工芸まで、幅広いコレクションが約1万点も収蔵され、各季節のそれぞれのイベントごとにテーマに沿った美術品が展示されています。
ポーラ美術館だけのオリジナルグッズや、アートグッズも揃うミュージアムショップ。人気ナンバーワンのお土産は、ルノワール「レースの帽子の少女」のアーモンド・ドラジェ。
本格的な欧州料理が味わえる「レストラン アレイ」、スイーツや軽食が楽しめる「カフェ チューン」も美術館内に併設されています。
ポーラ美術館
- 住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
- URL:https://www.polamuseum.or.jp/
大自然の中の高原リゾート
自然の音だけの静かな時間を過ごすことができるはずです。
仙石原周辺の山側の宿と、芦ノ湖周辺の湖側の宿に分かれます。