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【建築基準法】

 旅館ホテル等の宿泊施設に対する建築基準法の規制も又消防法と同様、戦後きびしい存在となった。建築基準法は昭和二十五年五月二十四日(法律二〇一)に公布されて建築物の構造・設備・敷地等の整合と保安上の安全に加え、生命財産の保護に対する最低の基準を定めた。この法律が旅館ホテルの在り方に深い関係を持つようになったのは、昭和四十年代以降多発した旅館ホテルの大火災と、多くの死傷者を出したこれらの建物に、火災予防上の欠陥が指摘され、法改正がしばしば行われたためである。
 消防法の項で記述したように、旅館ホテルに要求する防火区画の設置や、耐火構造・外壁の開口など建築上においても、消防法と同様きびしい規制を設け建築許可の条件としている。
 昭和四十九年には法改正により、旅館ホテルの経営(所有)者に対して建物の定期的点検と報告が義務づけられるようになった。この点検と報告には法律で定める資格を必要としたから組合員旅館はその資格をもつ建築士に委託しなければならなかった。このため防災衛生委員会はその対策を検討した結果、組合が一括して取扱うこととし、湯本福利施設の設計を担当した磯田一級建築士に業務を委託するようになったのである。組合加入の事業主に対しては、協同組合が点検報告書の申請手数料を全額負担している。またこの定期点検報告に要する事業主の負担は、その建物によって異るが年額所要額は四〇〇万円に達している。

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